水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》とは?
発見場所 | 中央アメリカ・ベリーズの古代遺跡 |
製造時期 | 紀元前1600年頃 |
使用用途 | 儀式に使用 |
ユカタン半島の付け根部分、中央アメリカの小国家ベリーズにある古代マヤ遺跡ルバトュムの祭壇の下でこの水晶ドクロは発見された。
イギリス人の探検家であるフレデリック・A・ミッチェル・ヘッジスが発見した為、その名前を取ってヘッジス・スカルと呼ばれるようになった。
水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》のスペック
- 高さ…12.5㎝
- 長さ…17.5㎝
- 重さ…約5㎏
この水晶ドクロは極めて透明度が高い水晶を加工し、こめかみ部分と頬骨の一部を除いて解剖学的にもほぼ完璧に正確な人間の頭蓋骨を再現している。
モンゴロイド人の女性の頭蓋骨をかたどったとされていて、この頭蓋骨の下あご部分は取り外しが可能になっている。
水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》の異質な加工技術
単なる水晶で出来た精密な頭蓋骨の標本というだけではなく、水晶ドクロの下から光を当てると水晶ドクロ全体が炎に包まれているかのように光り、目の眼孔部分は独特なプリズム構造を持ち光が集中するように作られている。
また、この目の部分に集中した光を1分弱凝視しているだけで一種の催眠状態に陥ってしまうともいわれている。
光の当て方、光源によっても水晶ドクロの輝きは変化し、太陽の光を当てると全体が神秘的な虹色の輝きを放ち、ロウソクの光を当てると妖艶な紫色に輝くという。
まるで映画やゲームでしか存在しないような古代遺跡の秘宝だが現実としてこの水晶ドクロは存在している。
1970年代、アメリカのIT企業ヒューレット・パッカード社(パソコン製品でも有名なhpのマークの企業)が水晶ドクロの解析を行った結果、表面には工具を使用して加工された形跡が一切無いことが判明している。それだけではなく、通常の水晶を加工した際にはありえない、水晶特有の結晶の自然軸に反するかたちで掘られていた。
普通の水晶を加工する場合は、結晶の軸に沿って細工をしなければ全体が壊れてしまうので軸に沿って加工するのが基本とされているが、水晶ドクロにはその基本が通じない。なぜ軸に反するかたちで、しかもここまで精密で美しい頭蓋骨のかたちに加工が出来たのだろうか…。
この加工技術は現代の科学技術を持ってしても再現は不可能といわれている。たとえ最新のレーザー技術を持って水晶を加工したとしても、水晶の自然軸に反するかたちで加工すれば水晶は壊れてしまうからだ。
たった一つの水晶から道具の痕跡も残さずに加工された水晶ドクロを検査した際に、検証に参加したヒューレット・パッカード社の検査技師の一人が「そもそもこんなものが存在するはずがない!」と声を上げたという。
水晶ドクロが現代でも再現不可能な技術がその昔にあった事を証明している。
水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》の伝承
水晶ドクロ、ヘッジススカルは紀元前1600年頃に、マヤ文明の高位の女性神官がなんらかの儀式に使用していたものとして伝えられているが、この水晶ドクロが発見された中央アメリカの先住民であるマヤの末裔の伝承でこんな言い伝えがある。
クリスタルスカル(水晶ドクロ)は世界中に13個存在している。その全てを集めてマスタースカルを中心に規則正しく残りの12個のクリスタルスカルを配置した時、宇宙の謎、地球が誕生してからの真の歴史、超古代文明の謎が全て解明され、人類は絶滅の淵から救われるという。
まさにSF映画のような伝承だが、実際に2008年に公開された有名な映画、インディ・ジョーンズ:クリスタルスカルの王国では、第二次世界大戦後が舞台となり不思議な力を持ったクリスタルスカルと呼ばれる水晶ドクロを巡った争奪戦が描かれている。
ちなみに13個のクリスタルスカルの中心、マスタースカルと言われているのがこのヘッジススカルである。
水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》は結局偽物なのか?
ここまで水晶ドクロの発見から伝承、そして未知なる加工技術について書いて来ましたが、ここからはその真偽について書いていきます。
未知なる加工技術
1970年代に行った最初の検査では、未知なる加工技術でありまさにオーパーツであるとされてきた水晶ドクロですがその後も2度、最初の検査と合わせて合計で3度の検査が行われています。
2回目に行われた検査は1980年、アメリカの研究者であるフランク・ドーランドによる検査ではヘッジススカルの歯の部分に機械を使って磨いた跡が見つかっている。そして3回目は2008年に行われたスミソニアン博物館による電子顕微鏡検査では、ダイヤモンドでコーティングされた高速回転式の道具を使用したと見られる痕跡が見つかった。
この検査結果を元に考えると、水晶ドクロが作成されたのはマヤ文明ではなく割と最近の1900年頃に作られたものではないかとアメリカの考古学会の機関誌「アーケオロジー」で発表されている。
どこで作られたものなのか?
1番有力な生産地として上げられているのはドイツにあるイーダー・オーバーシュタインという町ではないかと言われている。その根拠として挙げられているのは、ヘッジススカルを電子顕微鏡で確認した際に出てきたダイヤモンド研磨剤で削った跡とこの町で作られている水晶製品の削った跡と完璧に一致するのである。
イーダー・オーバーシュタインは世界的にも有名な石細工の中心地でもちろん水晶を加工する職人も多くいる町である。
この内容は2016年の1月23 日にTBSで放送された「世界ふしぎ発見」で紹介され、検証された事により一気に水晶ドクロヘッジススカルがオーパーツではなく、マヤ文明で作られたものでは無いとオーパーツ説が否定された。
水晶ドクロ《ヘッジス・スカル》考察
オーパーツの中でも映画のモチーフにもなった事から知名度も高く、ロストテクノロジーの産物として様々な噂があった水晶ドクロは現代科学を前にして偽物であり、マヤ文明どころか最近になって作られたものとしてテレビでも考古学誌でも発表され、ついにはニュースにもなり数十年続いたオーパーツ論争は終焉を迎えたようにも思えた、が…。
ちょっと待った!!
その発表やテレビは本当に信用出来るのか?
あーそうなんだ、偽物だったのか…で終わるには疑問点が多すぎるとは思いませんか?
私にはどうしても納得出来ない2つの疑問があります。
1つ目の疑問点
1970年頃に行われた最初の検査では加工跡が見つからず、どうやってここまで精密な頭蓋骨の水晶を道具無しで作成できるのかわからずお手上げ状態だった。その後の2度による精密検査で加工の跡が発見された。
しかし、この検査では加工の跡が発見されただけであって、眼孔部分のプリズム構造はどう説明するのか?光源の当て方や種類によって変化する水晶の構造はどうなっているのか??
水晶の軸に反する加工を行い、光の当て方で水晶の色を変化させ、眼孔部分に光を集約させる事が出来る。それでいて精密な標本並みの造形…!
この眼孔のプリズム構造や光の仕組みは現代の最先端技術を使用して同じものを作成しようとしても再現が出来ないとされている。
2つ目の疑問点
イーダー・オーバーシュタインは宝石の細工や加工でも有名で、加工技術からしてこの町の職人である事は間違いないとされているが、誰が作ったかまでは全くわかっていない。ここまで話題になっていても、この町の職人は職人気質で口が堅いため誰も名乗り出なかったとも言われているが…いや…何その根拠も何もない言い訳みたいなの…ありえないでしょう。
この水晶ドクロを作成出来るだけの技術力があるならば少なくともある程度まで絞れるだろうし、そもそも名乗り出ない理由が見当たらない。
何とか無理やりでも名乗りでない理由を考えてみた。
- 多額の金を渡されて口止めをされている。
- 秘密裏に作成されたもので、誰ひとりにも口外する事なく亡くなった。
- 職人気質で名乗りでるのが恥ずかしい(笑)
う~ん、パッとしない理由しか思い浮かばない…。
そもそも、現代の最先端技術をもってしても再現不可能なプリズム構造を持った水晶ドクロを1900年代の職人が一体どうやって作ったというのだろうか。
この時代にヘッジススカルを作れたとするならロストテクノロジーを受け継いだ超古代文明の末裔だったとか言われた方がオカルト好きとしては納得できる。
現代の道具を使用せずとも300年以上の月日をかけて磨けば可能とも言われてはいるが、もちろん誰も試したことは無いため机上の空論でしかない。
こうして考えてみると、果たして水晶ドクロは本当にオーパーツではないのか?ただの水晶を加工して作ったものなのか考えさせられる。
この2点が完璧に証明されるまで、というよりもヘッジススカルを正確に複製出来るまではオーパーツでは無いと断定は出来ないのではないかと思っている。
ヘッジス・スカル以外の水晶ドクロ
ヘッジススカルの他にも多数の水晶ドクロが発見されているが、簡単に複製可能なただのイミテーションのようなものから再現が難しいものも含めて2012年までに19個のクリスタルスカルが発見されている。
ここで紹介した伝承の他に「2012年(マヤ歴の終わり)までに12個そろえなければ世界は消滅する」という言い伝えもあったが、無事に平成から令和へと移り変わり、今日も世界は消滅する事なく続いてる。
実は本物の水晶ドクロは既に13個全てが集められていて、どこかの裏組織がひっそりと保管している…なんて事もあるかもしれない。
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