こちらでは2chの掲示板に掲載された怖い話。
「裏S区」と呼ばれる怖い話を、読みやすくして掲載しています。
2ch(ちゃんねる)「裏S区」の怖い話
九州のある地域の話。
仮にだけどS区という地域の、山を越えた場所にある裏S区って呼ばれてる地域の話。
現在では裏とは言わずに「新S区」って呼ばれてるが、じいちゃんばあちゃんは今でも「裏S区」と呼んでる。
まぁ、裏と言うのは良くない意味を含んでる。
この場合の裏とは、部落に位置する場所を指している。
高校時代は、部落差別の講義も頻繁にあるような地域で、これはそこでの話です。
(あくまで体験談&自分の主観のため、部落差別や同和への差別の話ではありません)
今から何年か前に男の子(仮にA)が一人行方不明になった。
(結局自殺してたのが見つかったけど。)
俺はS区出身者。
彼は、裏S区の出身者だけどS区の地域にある高校に通ってた。
自殺した彼とは友人だった。あくまで「だった」だ。
1年生の頃までは仲が良かった。
彼が1人の生徒をいじめるまでは…。
いじめられたのは俺。
周りは誰も止めてくれない。
止めてくれないし、見てもいない。
傍観者ですらなかった。
必死にやめてと懇願しても殴る、蹴る。
俺は急にいじめが始まったから、最初はただの喧嘩と思って殴りあったが、彼の体格と俺とでは全く強さが違う。
でも、次の日も急に殴ってきた。
なんの意味も無く、理由を聞いても答えない。
アイツは薄っすらと笑ってたから、とにかく怖かった。
ある日いきなりAが学校に来なくなった。
俺はかなり嬉しかったが、もうその状況では誰も俺に話かける奴はいない。
初めての孤独だった。
学校という、人が大勢いるのに、俺はひとりぼっちで、絶対的な孤独を味わうことに。
それからAが3週間ほど学校を休んだある日、先生が俺を呼び出した。
ここからは会話で。
先生
「お前、Aと仲良かっただろ?」
俺
「いえ…。」
先生
「う~ん・・・。お前さ、Aをいじめてないか?」
俺
「はい??え?俺が??それともAが俺を???」
先生
「いや、お前が。大丈夫、誰にも言わんから言ってみろ。問題にもせんから。」
俺
「いや、俺がですか???」
このときは本当に意味が分からなかった。
先生の中では俺がいじめてることになってるし。
で、らちが明かないので俺は本当のことを言うことにした。
俺
「本当は言いたくなかったけど、俺がいじめられてました…。皆の前で殴る蹴るの暴力を受けてましたし…。」
先生
「本当か??お前が??他の生徒も見てたか??」
俺
「見てましたよ。っていうか何で先生は俺がいじめてるって思ったんですか?誰かが言ったんですか?」
先生「いや…。いや、何でも無い。」
先生の態度が、この時点で明らかにおかしい。
何故か動揺してる感じ。
それから数分二人とも無言。
その数分後に、いきなり先生が言い出した。
先生
「Aがな、休んどるやろが?なしてか分からんけど、登校拒否みたいな感じでな家に電話しても親が出ておらんって言うてきるんよ。」
俺
「……。」
先生
「そんでな、昨日やっとAと連絡とれて、色々聞いたんよ。そしたらAが言ったのがお前が怖いって言うんよ。」
俺
「はい??俺が???」
先生
「う~ん…。そうなんよ。お前が怖いって言って聞かんのよ。」
俺
「いやいや、俺が?逆ですけどね。俺はAが怖いし。」
先生
「ほうか、いや、分かった。もっかい聞くけどお前はいじめてないな?」
俺
「はい。」
こんなやりとりの後、俺は解放されて自宅に帰った。
実際のイジメって多人数を1人でイジメるものだと思ってた。
中学生の時にイジメを見たことあったから、そのときのイメージをイジメだと思ったし、よく聞くイジメも大体が多人数が1人にお金をたかる、トイレで裸にする。
そういう行為をすることだと思ってた。
まさか、たった1人の人間がたった1人の人間をイジメるのに、先生まで巻き込み、俺1人だけをのけ者にしようとしてるとは思わなかった。
生まれて初めて人に殺意を抱いた。
ぶん殴るとかじゃなく、ぶっ殺したい!って本気で思った。
その次の日から俺は学校を休んだ。
行く気にはなれんし、行っても1人だしなぁ…と思って。
ただ、この登校拒否中にありえないものを見てしまい、俺はちょっと頭がおかしくなりかけた。
起こったのは「飛び降り自殺」だ。
俺の住んでたマンションから人が飛び降りた。
たまたま、エレベーターホールでエレベーター待ちだった俺の耳に
「ギぃーーーーーーー!」
って言う奇怪な声。
その数秒後に、
「ドォーーーーン!!!!」
っていう音。
そのドーンっと言う音は、自転車置き場の屋根に落ちたらしいのだが、それを覗き見たときは本当に吐き気と涙がボロボロ出た。
これはただの恐怖心から来るものなんだが、当時イジメにあっていた俺には、とてつもなく多きな傷を残すことになる。
本当にトラウマになっていて、今でもエレベーターに乗れない。
会社とかにあるような、建物の中にある奴はまだ何とか乗れる。
ただ、マンションにあるような外の風景が見えるものには全く乗れなくなった。
なぜなら、このときに絶対ありえないものを見たからだ。
自転車置き場を見下ろしてた俺が、前を向いた瞬間に、螺旋階段が見える。
そこの下に、落ちてる人間と全く同じ服で髪型(これは微妙で下にあるモノとは異なってたようにも見える)の人間が立ってた。
これは、多分見てはいけない「何か」だったんだと思う。
螺旋階段を下に向かってゆっくり降りていってたんだ。
すごくゆっくり下を向いたまま歩いてた。
下にあるものと、全く同じ姿かたちをした人間が。
ここでエレベーターが来たときの合図の「ピンッ!」って音が鳴ったんで、ビクッ!っとして後ろを振り向いた。
そこにも居た…と思う。
多分居たんだろうけど、あんまり良く覚えてない。
今考えれば居たのか?と思うけど、そのときは居たって思ってた。
「ピンッ!」の音に振り返った瞬間、ドーン!ってもう1回聞こえたんだ。
でも、今度の音はエレベーターの中から。
「ドーン」
「ドーーン!」
「ドーーーン!!」
「ドーーーーン!!!」
俺はこの時、発狂状態になって倒れたみたい。
直ぐに病院に連れて行かれた。
見たもの、聞いたものを全て忘れるように医者から言われ、薬も処方されたけど1週間は「うぅぅ…。」ってうめき声を上げるしか出来ない状態。
1週間過ぎたぐらいには、体調もだいぶ良くなっていたけど、本当は親や医者を騙していた。
良くなってなんか無い。
むしろ、その時からあの「ドーン!」って音はずっと着いて回ってた。
そろそろ学校に行こうと考えだした頃、Aの存在を思い出した。
そもそも、俺がこんな事になったのはAのせいだ。
Aがあんなイジメをしなければ、こんな目にも合わなかったはず。
アイツは、俺をこんな目にあわせる様な奴だから居なくなればいい。
そうだ。この「ドーン」っていう音に頼もう。
そう本気で思ってた。
この時の俺は、本当に頭がおかしくなってたんだと思う。
本気でこの『音』の主にお願いしてた。
次の日に学校に行った俺は、昼休みの時に早退したいと先生に言った。
先生も俺がどういう状況かを知っていたから、すぐにOKを出してくれて早退することに。
Aは、その日も休みだった。
その帰りがけに、先日、学校の講義で部落差別を無くそうという話をしていたおじさんに出会った。
そのおじさんは、Aのおじさんに当たる人で、何度か会って話したこともある。
だけど、そのおじさんが俺を見た後から、様子や態度が明らかにおかしい。
最初見かけた時は普通に挨拶をしてくれたのに、その後、すぐに俺を二度見のような感じで見ると「あー…。」とか言いだした。
俺は「こいつもAに何か言われてんのか?」って感じで被害妄想を爆発させて、怪訝な態度のこのおじさんを無視して横切ろうとしたんだ。
そのとき、急にそのおじさんがブツブツブツブツとお経のようなものを唱え始める。
俺は思わず、そのおじさんを見返した。
出会っていきなり「あー…。」などとわけのわからない態度を取られ、それだけならまだしも俺にお経を唱えるとかどうかしてる。
生まれて初めて、自分から人をぶん殴った。
言い訳がましいけど、精神的におかしかったから殴る事の善悪は全くなかった。
ただ、イライラだけに身を任せた感じ。
いきなりでびっくりしたのか、そのおじさんもうずくまって「うぅ…。」って呻いてるのを無視して蹴りを入れてた。
Aの親戚ってだけで、イライラしてたのもあり、
「おい。お前らの家族は異常者のあつまりか?人を貶めるように生きてるのか??お前差別をどうのこうの言ってたが、自分がする分にはかまわんのか?何とか言えや。こら!お前らは差別されるべき場所の生まれやけ、頭がおかしいんか?」
こんな感じの事を言いながら、ずっと蹴り続けてた。
でも、ここで予想外のことが起きる。
以下会話。
おじさん
「はははははははははっ!」
俺
「!?なんや気持ち悪い。いきなり笑い始めやがって!」
おじさん
「あははははは。お前か!お前やったんか…。ははははッ」
俺
「??まじ意味分からん、なんがおかしいんか?」
(未だに蹴り続けてたけど、この時は大分蹴りは弱くなってる。)
おじさん
「ははは、やっと会えたわ。」
「ははは…。そりゃAも××××やなー。はははっ…。」
(何を言ってるのか意味不明。)
俺
「は?お前ら家族で俺をイジメようとしよったんか?」
(この辺りで怖くなって、蹴らなくなってた)
おじさん
「おい、お前がどうしようと勝手やけど、○○(←俺の名前)が痛がるぞ。アニキは許しても俺は見逃さんぞ。」
俺
「は?マジでお前んとこはキチガイの集団なんか?おい。」
おじさん
「○○君、ちょっと黙っとき。おじさんが良いって言うまで黙っとき」
俺
「いや、意味わから…。」
「ドォーーーーーン!!!」
いきなり耳元で音が鳴った。
俺はビクッ!っとして振り返ったら、そこには、のっぺりとした細面で血だらけの顔が口元をピクピクしながら笑ってる。
俺はまた発狂した。
この顔がかなり異常で、普通人間の顔を見る場合、半分だけ見えるって言うのはありえない。
でも、この時に見た顔は例えるならテレビ画面の中にある顔が、画面から見切れてるせいで半分途切れてもう半分は見えてる状態。
その瞬間、Aのおじさんに力いっぱい殴られて意識を失った。
起きた時、俺は自分の部屋ではなくて、リビングの隣にある両親の寝室で寝かされてた。
時間は、確か20時頃。
リビングの明かりが漏れていて、両親が誰かと話してる声が聞こえる。
俺が起き上がって寝室のドアを開け、その人物を見た瞬間、すぐに飛び掛った。
Aのおじさんと、Aの叔母に当たる人がそこに座って両親と話てたから。
それを見た瞬間には、もう飛び掛ってた。
直ぐ親父に抑えられたけど、俺は吼えてたと思う。
Aのおじさんは「ごめん、本当に悪かったね」を繰り返してたけど、どうしても許せなくて親父の腕の中でもがいてた。
すると、母親が俺の頬をひっぱたいて、「あんたも話しを聞きなさい!」とか言い出してたけど…。
俺はもう親にまで裏切られた感じがして、家を飛び出そうと親父の手から抜け出し、自分の部屋に向かって上着とサイフをとった。
そして上着を羽織ろうとした瞬間、上着の腕の中に自分以外の手があった感触がして絶叫した。
両親とAのおじさん叔母が直ぐに来て、Aの叔母がブツブツ言いながらお経みたいなものを唱えだすと、おじさんが俺の服を掴んで踏み始める。
親父は青ざめながらそれを見ていて、母親は合掌しながら俺を見てた。
この時は、マジで自分が狂ったのかと思ったね。
数分後、俺も落ち着いてきて両親とAのおじ、おばと共にリビングへ向かった。
それまでの短い時間、Aのおじさんはずっと俺に謝っていた。
それからリビングで話した事は今でも忘れられないし、そこで再度起こったことも忘れられない。
以下会話(Aのおじさん=Bさん、Aのおばさん=Cさんとする)
Bさん
「本当に、殴ってしまってごめんな。」
俺
「いや、いいです。こちらもイライラしていてすみません。」
親父
「ん?お前なんかしたんか?」
俺
「いや、俺がBさんを殴ってしまった。」
Bさん
「あ、いや、それは俺が○君を見て、いきなりお経とか唱えたから嫌な気がしたんやろ?○君のせいじゃないわ。俺がいきなりすぎたんがいけんかったやから。」
親父
「申し訳ございません、それは聞いてなかったので…。」
俺
「え?なんの話をしよん?俺がBさんを殴って、Bさんがいきなり…。」
ここまで言って、気絶前の事を思い出した。
俺
「あれ…?俺、気絶する前に何か見たわ…。」
Bさん
「うん、そやろな。俺は○君みてすぐに気づいてなぁ。何かおるって、それでお経を唱えたんよ。」
母
「大丈夫なんですか?何かって何ですか?」
Cさん
「えっとね…。私らが住んどる地域がなんで裏S区って言われるか知っとる?」
親父
「えっと、失礼かもしれませんが差別的な意味ですよね?」
Bさん
「それはそっちだけの認識やな。じいさん、ばあさんによう言われたやろ?裏S区には近寄るなって。」
親父
「言われましたね。でも、それは部落差別的なもんやと思ってましたけど、違うんですか?」
Bさん
「いや、そうや。そうなんやけど、差別がある言うても、今も言い続けよるのは裏S区の歴史がちと異常なんや。」
親父
「いや、私も妻も生まれはS区やからその辺は分かってますけど、部落とか集落系での差別って、どこも同じようなものでしょ?だから、異常っていうのはわかります。」
Bさん
「はは。そうやろ?そういう風にとらわれてしまってるんやな。裏S区は部落やからって事でも他国の人間の集まりでもなく、昔からこの地域に住んでた人間の集まりなんや。」
親父
「はい。ただ、その違いが私にはちょっと…。」
母
「あれですか?あの鬼門がどうのとかって言う話ですか?」
Bさん
「ん?鬼門の話か。まぁ、そんな感じなんやろうけど、裏S区にうちと同じ苗字が多いやろ?」
母
「はい。多いですね、A君とことBさんの家は親戚やから当たり前やけど、それにしても多いですね。S区には全然いないのに裏S区の出身者では結構みかけますしね。」
Bさん
「あの辺は昔から霊の通り道って言われとんな。ナメ××××(何て言ったかは不明)とかそんなの聞いたことないですか?」
親父
「いや、名前はしらないですけど、聞いたことはあります。」
Bさん
「まぁ、その地域はそういう地域でして、うちらの家系はほとんどが霊感があるっていわれてたんですね。」
「それが原因で発狂する奴もおれば、いきなり何するかわからんって感じでいつの間にかそういう集落、部落になっていき、差別されるようになったんですわ。」
母
「でも、それやと裏S区はかなり広いからおかしくないですか?」
「Bさんとこの家系だけで裏S区自体がそういう風に分かれますかね?」
Bさん
「うん、分かれるんやろうな。最初は3つ、4つの家のもんが発狂し始めて…。でも、それが村中で始まってってなっていき、最終的に4、50件も起きれば、その周辺全体がおかしいって思われるやろうし。」
「昭和の時代に、そんなアホみたいな話を信心深く聞く人間が少なくなってきてるしな。」
親父
「それでも、それで部落になるんかなぁ。」
Cさん
「まぁ、うちらの家系ではそう教わっとるんです。だから生まれてきた子らには霊が見えるってことを前提に接しとる。見えん子もおるやろうけど、霊は居るって教えとるんですよ。」
俺
「いや、それと俺が体験しとるのと、Bさんの話と何が関係するんですか?」
Bさん
「○君。最近Aの様子がおかしくなかった?いきなり学校休んでるのは置いといて、それ以外になんかおかしいことなかった?」
俺
「最近っていうか、わからん。急に殴りかかってきたりしてたけど。」
Bさん
「急にか、なんも言わんかったか?」
俺
「いや、ほんと急に。意味わからんし。あ!そういうことか。Aが急に異常になったってこと?霊が見え初めて発狂し始めたんですか?」
Bさん
「いいや、Aはまともや。でも何をすればいいかわからんかったよ。」
俺
「は?まともじゃないっすよ。あいついきなり殴り始めたし、しかも笑いながら。クラスのみんなも怖がって俺を助けようともせんかったし。」
Bさん
「○君、殴られたときに怪我するようなこと受けてないやろ?いや、殴る事自体は悪いことやから庇ってるんじゃなくてな。」
「うちの家系での霊を見つけたときの対応は、笑う事なんよ。」
「やけん、異常者に見られることがほとんどだから、普通は無視してるんやけどな。」
母
「ってことは、○に霊がついてたって事ですか??」
Cさん
「うん、今も憑いてる。それと、○君ベランダに誰か見える?」
俺
「はい?なんですか?ベランダですか?」
ここで俺は、気絶するまえに見た「アレ」とは、別のものを見て発狂しそうになった。
Cさん
「大丈夫。絶対にココには入れんから。」
親父
「え?なにがですか?」
親父には見えてないし、もちろん母にも見えてない。
Bさん
「あ、いえ。それでね、○君にはちょっと憑いてるんや。」
俺
「あ、あれか…。飛び降りの奴みてしまったから…。」
Bさん
「いや、ちがうよ。あれは多分たまたまだね。本当に偶然。」
「でも、その偶然がベランダの奴で、それ以外についちゃだめな奴が憑いとる。」
俺
「……え?」
Bさん
「うん、それが憑いたらだめな奴なんよ。厳密に言うと、霊とかじゃなく、うちの家系では××××って言うんよ。」
「それを言葉には出しちゃだめですよ。すぐ移るから(両親を見て)。」
母
「××××」
(なんて言ったか忘れた…。バラ??何とかだったけど不明。)
俺
「!?」
母
「これで私に憑いたけん、○は大丈夫でしょうか?」
Bさん
「いや、そういうもんでもないけど、本当にそれは言わないでください。」
母
「息子が困るのは1番イヤですから。」
Bさん
「多分、それをするともっと困りますよ。」
俺
「もう、やめていいよ。っていうかなんなん?俺が霊に呪われててAはそれみて俺を殴ってたん?」
「でも、それはおかしいやろ。そんなんします?普通。っていうか、笑いながら殴ったらいいん?霊が追い払えるん?」
(ちょっと困惑して、興奮しながらまくし立ててた。)
Cさん
「ごめんね。そういう風にしか教えてなかったからやったんやろうね。」
Bさん
「お祓いするときにはな、絶対に笑いながら相手を追い出すんよ。こっちは余裕だ、お前ごときって感じで。」
「それで憑かれてる者を叩くと、憑いてるものが逃げ出すって感じなんよ。」
「もちろんお経やったり、他にもいろいろと必要なんやけど、あいつは見様見真似でやってしまったんやろうな…。」
俺
「でも、あいつ蹴ったりもしたし。」
Bさん
「うん、それは行き過ぎやな。でも、Aが学校休んでる理由は○君が怖いって。まぁ、○君に憑いてる『ソレ』が怖いってことなんやけどな。」
それから少し、そういう話をした後でCさんが御祓いするための道具を駐車場に取りにいって、Bさんが俺を守る形で周りを見張ってた。
その後準備が整い、お祓いが始まったけど、今まで見たどのお祓い方法よりも異常だった。
神社のようなお祓いでもなく、お寺のようにお経を唱えながら木魚を叩いてるわけでも無い。
ただただ、笑いながらお経を読んでる感じ。
そのお経も、俺が知ってるお経ではなく、ブツブツブツブツ…と繰り返し小声で話してるような感じだった。
それから何度か手を叩かれたり、頭を払われたりした。
お祓いが終了して、Bさんが「もう大丈夫」と俺に言い、Cさんが「もう見えないでしょ?」っていうのでベランダの方を恐る恐る見てみたが何も無かった。
次の日から、俺は普段通り学校に行くようになった。
(ただし、エレベーターは1人で乗ることが出来ないため、いつも親と一緒に乗ってた。)
この日、Aに異常が起きたらしく、その日の夜に「Aが居ないんだけど、○君の家に行ってないか?」という連絡がAの父親からあり、次の日からBさんやAの両親が捜索願いを出して探してたらしい。
家には、家出をするといった感じの手紙が置いてあり、家出人の捜索のため警察が捜索をするということは無かった。
Aの親が電話をしてきた理由は、その手紙に俺の名前が何度も書かれていたことが原因らしい。
俺は、霊に憑りつかれていたからと言う理由があったからとか言って、Aを許してはいない。
正直、どうでも良かった。
Aが行方不明になって3日目の朝。
あの「ドーーーン!」っていう音が聞こえて飛び起きた。
俺はもう、あんなことは無いと思ってたから、本当に汗びしょびしょの状態で直ぐに親の部屋に逃げこんだ後、少したってから夢での出来事だったことに気付いた(というかそういう風にした)。
ただ、その日にAが飛び降り自殺をしており、時間帯も朝方であったと聞いて、その夜から怖くなって1人で寝ることが出来なくなってしまった。
遺書が見つかっている事から自殺で間違いないようで、遺書の中に俺宛の部分があり、
「ごめん。本当に悪かったね。多分俺らの家系は部落でちょっと頭がおかしい家系が多いんやと思う。」
「自分の家系のせいにはしたくないけど、お前を殴ったのは本当に悪かった。ごめん。」
遺書には、そのように書かれてた。
それから、次の夜にはお通夜があり、俺も両親と一緒に行ったのだが、俺はすごく嫌がってた。
ただ、親が「一応供養だけはしとかな、変なことあったら嫌やろ?」って言うので仕方なく行くことに。
お通夜もかなり変わっていて、通常のお通夜と違って遺影などは無い。
その代わり、紙にAの名前が書いてあって、それを棺の側面にびっしり貼り付けている。
見ただけで、近付くのも嫌になるような不気味さを漂わせていた。
Bさん
「写真を置くと、写真の顔が変形するんだよ。」
「その写真は、見るのが耐えれないほどの奇怪なモノだから、この地域ではこういうやり方でやるんだ。」
「名前の書いた紙をびっしり貼ってるのは、コイツはAだ。××××ではないんだ、っていう証なんだ。」
そう言っていたが、本当に意味不明で奇怪すぎる内容に引いた。
その時、Aの父親が俺に話かけて来て「迷惑かけてごめんね。」と。
そして、Aが家出したときに書いた手紙と遺書を見せてきた。
遺書の部分は上記の通りだが、この時は本当は見たくなかった。
家出をした際に書かれた手紙には、
「○(←俺の名前)にあいつが憑いてたんだけど、ずっと俺を殺そうと見張ってる。」
「おじさん(Bさんのこと)がアレは祓ったからもう大丈夫って言ってたけど、あいつは俺のところに来たみたい。」
「でも、お父さんはあいつをお祓いできないだろうし、お母さんの家に行ってきます。行く道であいつが付いてきたら、他に行ってみるね。」
そう書いてあった。
Aの両親は別居中だったので、Aは母親方の実家に向かったらしい。
そして、そのまま行方不明になった。
ただ、何故か警察は家出だと言って、行方不明というより「家出人」としてしか扱わなかったそうだ。
あの遺書は、本当に見ないほうが良かったって思った。
××××とか書かれてるし、意味不明なその日までの現実離れした出来事を思い出して怖さで震えてきた。
Aの自殺した時間が朝方だったことも、怖さを増長させる。
俺の頭がおかしいんじゃなく、こいつらが異常だって思った。
お経も無く、平屋のような場所に棺桶が置かれていて、びっしりとAの名前が書かれた札を貼っている。
その挙句、親戚の何人かは笑っているという異様な光景。
韓国だかどこかで、泣き子といって泣くだけの為に葬式に参加してるってやつがいるって気味の悪い話も聞いたことがあるけど、この集落に伝わる葬式も気味が悪いを通り越して異常でしかない。
俺の両親もさすがにこの状況は怖かったらしく、「もう帰るか」と挨拶も早々に切り上げた。
それから数日後、Bさんが両親に言ったのが、俺に憑いてたのはAのおばあさん(つまりBさんの母親)が××××になって(霊だろうけど、そうは言わなかったので)憑いてたとのこと。
もうそんな話はどうでも良いから、聞きたくも無かったけど、聞いといてとの事なので聞かされた。
飛び降り自殺をした人間も裏S区出身者で××××に追いかけられてた事。
俺に取り憑いた理由はわからないが、以前Aの家に行った時に憑いたのかも…といった話を聞かされた。
そこで、俺も怖いと思ってたことを2つ聞いた。
1つ目は、Bさんに殴られる前に見た顔。
2つ目は、飛び降りしたはずの人間が階段に居て、落ちた遺体のもとに駆け寄ろうとしてたがアレは何なのか。
そうするとBさんは、2つ目については、
「死んだ人間は死んだことを理解しない事が多い。だから下に自分が居たので取りに行こうとしたんじゃないかな。」との事。
ただ、そこで邪魔をされると呪いをかけようとする。
ここで、俺は邪魔をしてない!口を挟んだ。
「お前、エレベーターを呼んだだろ?「ピンッ!」って音が邪魔なんだよ。」
優しかったBさんの口調が、急に別人のように変わった。
本当に飛び跳ねそうになった。
俺の両親もかなり驚いてた。
Bさんは、その口調のまま話続ける。
「お前なぁ。見ちゃダメだろ?俺はいいが、お前はダメだろ?見んなよ。俺をみんなよ。」
「なぁ?おい。聞いてるか?おい!」
って感じで。さすがに親父が怒って、
「何言ってんだ!怖がらせてどうする!」
そう言うと、Bさんがビクンっ!てなって、
「あ、ごめんなさい。申し訳ない…。ちょっと来てたので、聞いてみようと思ったんです…申し訳ない…。」
って言い出して口調を戻した。
「見てはダメだったと言っても、見たくて見たんじゃないから、もういいだろ?な?」
そう自問自答を繰り返し、その後俺に向かって、
「もう、絶対に大丈夫。本当に申し訳なかった。この亡くなった奴も××××に追いかけられてて、○君に憑り付いた「アレ」に怒ってしまって…。○君のとこに来たみたい。」との事。
1つ目の質問については、「それが××××」との事だった。
(この××××という名前は、もしかしたら日本語では無いか、もしくは方言なのかな?とこのとき思った。)
そして、Aのおばあさんが××××になってしまったこと。
でも、Aの父親が自分の母を消すのは心苦しいとの事で、お祓いを避けてたという話だった。
ただ、Aが亡くなってしまったことで流石に腹を決めたらしく、お祓いを昨日済ませたという話を聞いた。
そして一通り話し終えると、Bさんが帰るとの事だったので玄関で見送りした。
Bさんが玄関を出た直後、いきなりBさんが笑いだす。
「あはははははは。はははははっ。」って。
俺は、ビクっ!って膝から崩れ落ちた。
親父は「やっぱりあそこの連中はおかしいわ。」と怖さからか、それとも本当に怒ってるのか…吐き捨てるように怒鳴っていた。
母は「もう、あの人らに関わるのはやめようね。」と言い出して涙目になってた。
あんな話をして、笑いながらお祓いすると聞いてても、流石に家を出た瞬間にあんな笑い声を張り上げている奴を同じ人間とは思えない。
「あははははははははっ!!!」
そのやけに耳につく笑い声が聞こえなくなって、初めて3人とも動けるようになってリビングに戻った。
俺が「あいつらはおかしいよ、絶対異常やって。っていうかあいつ、エレベーターで帰ったんやろうか?」
と言ったら親父が、「あいつとか言うな。一応年上やろうが。はぁ…もう、関わらんようにしとけ。」と言って鍵を閉めに行った。
その直後。
「はやく帰れ!!!!」
いきなりの怒号に、心臓が止まりかけた。
親父が鍵を閉める前に、夕刊が郵便受けに入ってたので取ろうとしたら、上の部分に引っかかっていたので外から取ろうとしたらしい。
しかし、Bさんがまだエレベーターホールでニヤニヤしてこっちを見ていた。
親父は完全にキレて「警察よぶぞ!」とか言い出していて(怖かったんだと思う)、横の家の人とかも出て来るちょっとした騒ぎになったんだけどBさんは、
「え?い…いや…。今、帰ろうとしてたとこです。え?なんですか?」
とか言ってたらしい。
そう言った瞬間、再び「はははははははははっ!」と笑い始め、エレベーターに乗って帰ったとのこと。
(親父が「塩まけ!塩!」と言い出して、狂ったように塩をまいていたので、隣人からしたら親父も異常にみえたかも。)
その後、両親と一緒に有名な神社に行ってお祓いを受けて、家を引っ越した。
S区からは移動してないので、同じ学校の地域だったが、俺は他の地区の学校に転入をしてもらい、それ以降は裏S区には近づいていない。
今は新S区と名前を変えてるが、地域性自体は変わってないように思える。
従兄弟の通うS区の学校では、未だに同和教育があって、地域は言わないものの差別的な事が現実にあると教えてるようです。
しかし、あくまでも部落、集落への差別としか言わず、裏S区の事情や情報は皆無で裏S区と呼ぶと教師が過敏に反応し、新S区だと言い直したりとかもするとのこと。
(これは九州特有の人権主義、日教組等によるものだと思うけど。)
Bさんに関しては、一切関わりを絶っているので今どうなってるかはわかりません。
うちの両親は、この事件が起こるまでは裏S区に関しての差別意識は皆無だったけど、これ以降はかなり毛嫌いしている。
その地域に住む人達との関係も、かなり制限するようになってしまった。
俺はそれ以降、霊的な出来事は皆無だけど、エレベーターだけは相変わらず1人で乗れず、恥ずかしながら1人で寝ることも出来ないので、妻に凄く馬鹿にされている状態。
一連の出来事が終った直後の頃は、トイレに行くときも親を起こして(高校生なのに)一緒に行ってたくらい、恐怖が体に刻み込まれていた。
俺に関しては、裏S区の出身と聞くと差別というよりも、恐怖だけが全身を駆け巡り話も出来なくなる。
かなりの長文で失礼しました。
一応、俺の体験談として置いておきます。
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