製造時期:紀元前100年頃
発見場所:ギリシャのアンティキティラ島沖
作成理由:天体観測用PCの部品
アンティキティラの歯車の正体とは?
1900年、ギリシャのアンティキティラ島沖の海底で古代の沈没船が発見されました。
引き揚げられた沈没船からは、さまざまな彫像や工芸品などが回収される中で、奇妙な青銅で作られた4つの歯車が発見されます。
これこそが、現在発見されている中で私たちが知らない高度な古代文明があった証とも言えるオーパーツ「アンティキティラの歯車」です。
アンティキティラの歯車が作られた時代
かなり腐食が進んでいたものの、表面にはしっかりと歯車のような形状が確認できます。
1番大きなもので縦17㎝、横幅15㎝ほどの歯車の形をした物体です。
この歯車には、古代ギリシャ文字で暦や星座の名前が刻まれていたことから、アンティキティラの歯車が使われていた時代が紀元前100年前後に繁栄していたギリシャ文明のものであることが確認されました。
アンティキティラの歯車の調査
1950年にケンブリッジ大学のデレク・プライス教授がアンティキティラの歯車を分解して調査し、「ギリーシアの歯車」というタイトルで本も出版されています。
また、何とかしてアンティキティラの歯車を復元しようとX線解析が行われたところ、大小40以上の歯車で構成された精密機械であることが判明し、元々は縦33㎝、横17㎝、幅9㎝のアンティキティラの歯車を復元することに成功したのです。
アンティキティラの歯車の使用目的
この古代の遺物は一体何のために作られたのでしょうか。
調査した結果、天体観測のためにつくられた古代の超精密マシンだとわかりました。
目盛りを動かして日付を入力することで、その日の月や太陽の座標、惑星の位置までかなり精密に表示される天体観測儀です。
実際に月の軌道をアンティキティラの歯車を使って計算したところ、その誤差はたったの100分の1しかありませんでした。
ちなみに、現代で同じ計算をしようとしても、そう簡単に出来るような計算ではなく、パソコンを使ってもかなり大変な作業です。
まさに古代の英知を詰め込んだ、天体観測用のアナログ式のパソコンとも言えるでしょう。
アンティキティラの歯車に残された謎
現代のパソコンを使っても骨の折れる作業をやってのけるアンティキティラの歯車ですが、そこには大きな謎が残ります。
調査した結果、このオーパーツが作られたのは紀元前100年前後とわかっていますが、その時代に果たしてこのような高度な技術を持った文明があったのでしょうか?
高度な知識と技術力が詰まっている
そもそも、天体の動きを正確に知るには、その仕組みを理解していないと作れるわけがありません。
地球が他の惑星と一緒に太陽の周りを時点しながら公転するという「地動説」の概念が無ければ作れない機械です。
初めて地動説が世に出てきたのは16世紀になってからで、天文学者が発表しています。
それまでは、地球が宇宙の中心で、地球の周りを他の惑星が動いていると考える「天動説」が一般的な考え方でした。
アンティキティラの歯車で惑星の位置や月の座標を正確に知るためには、地動説が必ず必要になります。
宇宙や惑星の位置を把握しているだけでも凄いのに、紀元前100年の文明が天動説を完璧に理解していたなんて信じられませんよね。
そもそも宇宙や地球について、そこまで深い知識があるはずが無いのですが…。
しかも、アンティキティラの歯車に隠された謎はこれだけでは終わりません。
この天体観測用儀には「作動歯車機構」という技術が使用されています。
これは、歯車の組み合わせによって、回転数や回転速度が変わるシステムです。
1575年にドイツで作られた天文時計で初めて実用化された技術なので、本来あるはずのない技術が存在していたことになります。
誰がアンティキティラの歯車を作ったのか
古代に存在するはずがない超高性能な天体観測儀は、一体誰が何のために作ったのでしょうか。
もちろん現在も、アンティキティラの歯車を誰が作ったのかはわかっていません。
古代ギリシャの数学者であるアルキメデスが作成したとも言われていますが、明確な根拠は無いのです。
当時の文明レベルを超越したものが存在しているとなると、誰かが作ったというよりも、誰かから貰ったと考える方が納得できませんか?
宇宙人が飛行船の位置や飛び立つのに丁度いい日を、アンティキティラの歯車で確認してたのかもしれません。
もしくは、ギリシャ文明以前の謎に包まれている超古代文明「アトランティス」で使われていた遺物だという可能性も否定することが出来ないのです。
いずれにせよ、このオーパーツの真相が解明される日は来るのでしょうか。
もし既に解明されていたとしても、人類の歴史にとって不都合な真実であれば隠蔽されているのかもしれません。
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