今回は、売春婦の母と呼ばれる悪魔「バビロン」について紹介します。
名称 | バビロン |
別名 | 大いなるバビロン |
種族 | 悪魔 |
役割 | 悪魔としての象徴 |
主な出典 | ヨハネの黙示録 |
大淫婦と呼ばれる悪魔バビロン
バビロンは、新約聖書『ヨハネの黙示録』第17章などに登場する女性の悪魔です。
あくまでも女性の姿をしたものとされており、黙示録に登場する獣に乗って現れると言われている。
煌びやかな装飾品を身につけて豪華な衣装を纏い、その手には自らの淫らな行いで穢れた、忌まわしきモノで満たされた黄金の杯を持っているのが特徴です。
災いの後で現れるバビロン
新約聖書『ヨハネの黙示録』によると、世界の終末はイエス・キリストが神の施した7つの封印を解くことで始まります。
この封印が1つ解ける度に災いが起き、7つ目の封印全てが解かれた後、大淫婦バビロンが登場する。
美しく着飾ったバビロンは、黙示録に現れた獣に乗って、荒野に出現すると言われています。
そして、その昔ローマの売春婦が額に自分の名前を記した金の板を付けていたように、バビロンの額にも名が記してありました。
ここから、売春婦の母とも呼ばれる悪魔となったのです。
バビロンがどれほど美しかったのかという記述が明確に残っているわけではありませんが、権力者などの高い地位に就く者を魅了していたことから、美しい姿であったと考えられています。
神によって裁かれるバビロン
『ヨハネの黙示録』によると、最後は神によって裁かれます。
「バビロンは聖人たちとイエスの証人の血に酔いしれていた」
この記述は、バビロンがキリスト教の信者達を殺戮して血を流すということです。
しかし、神によってバビロンは裁きを受け、乗り物にしていた黙示録の獣によって衣服を剥がされ、体を引き裂かれた上で炎で焼かれます。
バビロンによって魅了された者たちは立ち去るが、その地は悪魔や獣の巣窟に。
その後はイエス・キリストによって直接的な統治が始まり、神の祝福によって千年続く王国が築かれるのです。
悪魔であるバビロンはローマ帝国の象徴だった?
バビロンという悪魔が一体、何を表現しているのかはさまざまな説がありますが、その1つにローマ帝国を象徴した存在だという説があります。
黙示録に登場するバビロンは、7つの頭を持つ獣に乗っていますが、これがローマ帝国の7人の皇帝を表しているというもの。
ローマ帝国の首都ローマで起こった大火災。
その罪をキリスト教徒になすりつけた暴君ネロや、キリスト教徒の大迫害を行ったディオクレティアヌスなどが含まれている。
その7人の皇帝にまたがるバビロンはローマ帝国そのものであり、最後にバビロンが焼かれる姿は、ローマ帝国の滅亡を示唆したものだと言われています。
このことから、悪魔であるバビロンはローマ帝国の象徴とも言われているのです。
悪魔バビロンのまとめ
バビロンはその姿から、全ての売春婦の母とも言われています。
そのバビロンを乗せている獣は、7つの頭を持ち10の角を持つとされ、龍のような姿で描かれることも。
この獣は魔王サタンから力を与えられたと言われ、バビロンとその獣を崇拝する者には『666』の悪魔の数字が刻印されると言われている。
ちなみに、ハンニバル・レクターが登場する映画「レッド・ドラゴン」には、バビロンと獣を描いた絵画『大いなる赤き竜と日をまとう女』に魅了された殺人鬼が登場する。
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