美しい海辺が広がるリゾート地でありながら、誰1人観光客などがいない無人の島が存在する。
砂浜にはビーチパラソルが並び、美しい海が眼前に広がっているが、後ろを振り向くと誰一人いない廃墟が並ぶゴーストタウン。
この異様な光景を見ることが出来るのが、キプロス島の街バローシャです。
廃墟と化したキプロス島の街バローシャ
かつては観光地でもあり、美しいリゾート地として賑わいを見せたキプロス島のバローシャには、高級ホテルやマンション、レストランなどの商業施設が立ち並んでいました。
しかし、1974年にキプロスの内戦によって住民が逃亡し、トルコ軍がバリケードを張り巡らして立ち入り禁止としたことから、瞬く間にゴーストタウンの廃墟となってしまったのです。
軍が管理していることもあり、写真撮影もNGで、カメラを構えただけで軍人が飛んでくると言います。
地中海を代表するリゾート地だったバローシャ
かつては地中海の中でも代表的なリゾート地として有名で、誰もが知っているような高級ブランドショップが並び、世界中から観光客や世界各国のセレブがやってくるほどの人気でした。
トヨタやシャープなど日本の企業も店を出していましたが、この地の建物はほとんどが朽ち果ててしまい、今にも崩壊しそうなものばかり。
慌てて逃げだしたからか、ホテルやマンションの中にはその当時の生活がそのまま残されているといいます。
キプロス南北分断により生まれたゴーストタウン
キプロスが独立して以来の大統領であるマカリオス3世が1974年に、ギリシャが支援する反政府勢力に襲撃されるという事件が起こりました。
このクーデターがきっかけとなり、トルコ軍がキプロスを侵攻。
主にトルコ系の住民が住んでいたキプロス北部とギリシャ系の住民が住んでいた南部の間で頻繁に争いが勃発するようになりました。
ここからキプロスは内戦状態となり、ギリシャ系の住民が多く住んでいたバローシャの住民が一目散に逃げだしたことで街がそのままの状態で取り残されることに。
このキプロス島は、現在も南北に分断されたままの状態です。
2020年にトルコのエルドアン大統領が北キプロスを訪問するも、現状維持で南北分断したままが望ましいという見解を示していることから、今後も当分は無人のリゾート地となりそうだ。
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