黒ミサのやり方とは?悪魔を礼拝する儀式の全容と関連する事件を紹介

ミサとは、キリスト教の信者が教会にてパンとぶどう酒を用いて行う儀式のことで、カトリック教会で最も重要な典礼儀式のことです。

この聖なる儀式とは正反対の位置にあるのが「黒ミサ」。

今回は、黒ミサの内容や儀式の方法、実際に黒ミサが行われた事件を紹介していきます。

目次

黒ミサとは悪魔に礼拝する邪悪な儀式

カトリック教会では「神」に礼拝をするものですが、「黒ミサ」は悪魔に礼拝する儀式です。

そもそも、ミサはキリストが十字架に掛けられる前に弟子たちと行った「最後の晩餐」が起源になっています。

通常のミサでは、パンをキリストの肉体、ワインを血液に見立て、それを食べることでキリスト(神)と一体化することが目的です。

信者にとっては日常的な儀式であり、中世では豊作や病気の治癒を祈願するために行われることもありました。

神の力を借りて祈願するのではなく、悪魔の力を借りて願いを叶える黒ミサ。

通常のミサとは違って、黒ミサにはさまざまな儀式の方法があります。

子どもを生贄にするような残虐な儀式や、若い女性を使ったものなど、いずれも共通する点は神を冒涜するかのような内容だということです。

ミサと黒ミサの儀式の違い

黒ミサの儀式では、基本的にキリスト教の教会で行うミサとは正反対の事を行います。

残虐な黒ミサの儀式

神であるキリストに礼拝するのではなく、悪魔の王であるサタンに礼拝を行う黒ミサには残虐な行為が多く含まれています。

パンとぶどう酒を聖別するミサとは違い、黒ミサでは幼児の血と肉体を生贄に捧げて血を飲み干すことで悪魔へ忠誠の意を示します。

生贄にした幼児や女性などを食したり、悪魔の前で乱交を行ったりと、通常の神経では耐えられないような儀式の内容です。

しかし、このような信じられない儀式が、一部では実際に行われていたのです。

一般的な黒ミサの儀式

黒ミサを行うには、13人必要です。

13人というのは、最後の晩餐の人数に起因しているものと考えられます。

黒ミサを行うために準備する物はこちら。

・六芒星を円で囲んだ魔法陣

・5本のロウソク

・ヤギの頭部(もしくは七面鳥)

・サタンを祀る祭壇

儀式では、六芒星の魔法陣の5隅にロウソクを立てて火を灯します。

六芒星の頂点には祭壇を立て、そこにはヤギの頭か七面鳥の死骸を置く。

これで儀式の準備は完了です。

そうしたら、魔法陣の周囲に13人が等間隔で並び、全員で呪文を唱えます。

「我らがサタン様…。」と繰り返しながら叶えたい願いを唱えますが、その際には、失礼の無いように敬意をもって唱えてください。

黒ミサを行ったとしても、参加した13人のうち1人でも迷いがあれば黒ミサは失敗します。

それどころか、悪魔が侮辱されたと感じれば、参加者全員が地獄へと送られてることになるでしょう。

最悪の場合、悪魔に取りつかれるだけでなく、命も落としかねませんので、遊び半分で儀式を行うことだけは絶対にやめましょう。

黒ミサが起こした歴史上で最悪の事件

黒ミサは小説やオカルト映画の中だけのものではありません。

こちらでは、歴史上で最も衝撃的な黒ミサ事件を紹介します。

ラ・ヴォワザンの黒ミサ事件

17世紀後半のフランスでは、黒ミサが貴族の間で流行していました。

そんな中で暗躍していたのが、ラ・ヴォワザンという産婆師の女性です。

産婆師というのは表の仕事であり、裏では毒薬や媚薬の製造、さらには禁止されていた堕胎業などを行って荒稼ぎしていました。

ラ・ヴォワザンは、他にも悪魔崇拝の儀式や黒ミサにも精通していたことから、上流階級の貴族たちが身分を隠しながら彼女に黒ミサを依頼するようになりました。

依頼者の中で1番有名になったのが、ルイ14世の愛人であったモンテスパン夫人。

ルイ14世に捨てられることを恐れたモンテスパン夫人は、ラ・ヴォワザンに黒ミサを依頼し、他の愛人を呪い殺すようにお願いしたのです。

黒ミサは3回行われ、その全てで人間の赤ちゃんが生贄とされました。

ラ・ヴォワザンが行っていた黒ミサの方法はとても残虐なもので、生贄とした赤ちゃんの喉を掻き切ってその血を聖杯に注ぎ込み「魔王サタンよ、この生贄をお受け取りくださいませ。そして生贄と引き換えに、我が願いを叶えたまえ。」と悪魔に呼びかけていたようです。

しかし、とある占い師が毒殺の罪状で逮捕されると、毒殺者集団のリーダーだったラ・ヴォワザンも逮捕されることに。

逮捕されたあとで家の中を捜索したところ、なんと2,000人を超える堕胎された子供の遺体が発見されました。

また、黒ミサを依頼していた顧客名簿も発見されたことで、何度も残虐な黒ミサを依頼していたモンテスパン夫人の悪行も発覚することになったのです。

モンテスパン夫人と関係があったことがバレることを恐れたルイ14世は、捜査を打ち切るように伝え、全てを闇に葬りました。

こうして史上最悪の黒ミサ事件は幕を閉じ、首謀者のラ・ヴォワザンは火あぶりの刑により処刑。

黒ミサを依頼したモンテスパン夫人は、ルイ14世から疎まれる存在となり、悪魔との契約が果たされることは無かったのです。

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