地獄の業火を思わせるような炎が延々と燃え続ける巨大な「地獄の門」が、この世界に存在している。
今回は、不慮の事故によって開けられた大穴「ダルヴァザ・ガスクレーター」を紹介します。
「地獄の門」ダルヴァザ・ガスクレーター
イランやアフガニスタンの上部に位置するトルクメニスタンのダルヴァザにその巨大な大穴は存在している。
観光地としても知られ、燃え盛る地獄門を一目見ようと多くの旅人が訪れる地としても知られています。
地獄門はどうして開かれたのか
「ダルヴァザ・ガスクレーター」は、最初からその場所にあったわけではありません。
1971年にソ連による天然ガスを見つけるためのボーリング調査をおこなった際、不手際による落盤事故が起こりました。
その結果、直系約90mにも及ぶ超巨大な穴を地面に開けてしまうことになったのです。
ただ穴が開いただけでなく、そこには地下から溢れ出る有毒ガスが充満してしまったので、なんとかその巨大な穴を塞ぐための方法を考えました。
そこで考えられた案が「火をつけてガスを燃やし尽くす」というもの。
まともな調査もされないまま火を付けられた巨大な大穴の中でガスに引火し、地獄の門が誕生しました。
ダルヴァザ・ガスクレーターの歴史
ソ連によるガス調査で開けられた「地獄の門」は、ソ連崩壊後によって独立したトルクメニスタンによって存在が明らかになり、観光地となりました。
1991年に独立したトルクメニスタンは、北朝鮮に次ぐ独裁国家として知られ、初代大統領のサパルムラト・ニヤゾフは徹底的な人権弾圧政治を行っていたのです。
さらに、観光地として収益を上げるダルヴァザ・ガスクレーターを見ると、近隣の300人ほどが暮らす村を「薄汚い集落は観光客にとって邪魔だ」とすべて破壊してしまいました。
その次にトルクメニスタン大統領の座についた、グルバングル・ベルディムハメドフ氏になっても独裁体制はかわりません。
国の主力産業となった天然ガスの輸出に注力し、ダルヴァザ・ガスクレーターに関しても「ガスがもったいないから、穴を潰せ」と言い放つようなありさまです。
現在のダルヴァザ・ガスクレーター
観光地となっているので、誰でも地獄の門を見ることはできますが、落ちて亡くなってしまった人もいるので要注意。
上空から見ても、まるでそこだけ地球に穴が開いたような景色は、この世のものとは思えない異様さを放っています。
穴を埋めるにも、現在の技術ではその方法も見つからず、永遠とガスが尽きるまで燃え続けているのです。
現在のトルクメニスタンは、ロシアと中国の勢力争いの場となっており国内の情勢はお世辞にも良い状態とは言えません。
地獄の門の周囲には柵もなく落ちる危険ばかりか、観光客を狙った強盗もいるので、ダルヴァザ・ガスクレーターを見に行く際には十分注意してください。
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