青ひげのモデルになった『ジル・ド・レ』とは?殺人鬼に堕ちた英雄

今回は、100年戦争で英雄として活躍しながらも、黒魔術に魅入られ大量殺人鬼として処刑された人物。

ジル・ド・レについて紹介します。

ジル・ド・レ

名称 ジル・ド・レ
フランス
生没年 1405年頃~
1440年頃
役割 元帥
目次

英雄から殺人鬼へと変貌したジル・ド・レ

フランス貴族出身のジル・ド・レは、100年戦争を戦い抜いたフランス王国の元帥として名を馳せました。

ジャンヌ・ダルクと共に戦場を駆け抜けた英雄でしたが、彼の生涯は処刑されて幕を閉じることになる。

フランスの英雄となったジル・ド・レ

ジル・ド・レは、フランス王をもしのぐ富と財力を持った貴族の家に生まれる。

祖父は野心家として知られる「ジャン・ド・クラン」のもとで育てられたことで、ジル・ド・レも祖父同様に野心を秘めた欲望に忠実な性格の青年へと成長していった。

軍人となったジル・ド・レは、祖父のコネを使いフランス王シャルル7世に近づくと、100年戦争に志願し戦いに身を投じる。

アンジュー公園軍の実働部隊の指揮官に就任したジル・ド・レは、次々と戦乱を勝ち抜き周囲からも一目置かれる存在になった。

オルレアンの戦いでジャンヌ・ダルクが登場すると、そのカリスマ性に魅了されたジル・ド・レは一緒に戦うことを決意する。

戦いに勝利したジル・ド・レは『救国の英雄』と称えられ、シャルル7世の戴冠式(たいかんしき)に出席した際にフランス元帥に任命された。

ジルの祖父ジャン・ド・クラン

ジル・ド・レの祖父は、たったの一代でフランスでも指折りの大富豪へと成り上がった人物。

もともと実力のある人物でしたが、自分の名声を上げるためには手段を選ばない性格で知られている。

富を築き、レ家を大きくするために、ジル・ド・レに3度の政略結婚をさせています。

最初の1回目と2回目の政略結婚は失敗に終わったものの、3回目は相手を誘拐して監禁し、無理やり既成事実を作って政略結婚を成功させるほどだった。

100年戦争の英雄から堕ちたジル・ド・レ

1429年、敵国のイングランドにジャンヌ・ダルクが捕まってしまった。

ジル・ド・レの軍は必死に救出を試みるも失敗し、魔女と断定されたジャンヌ・ダルクは火あぶりの刑によって処刑されてしまう。

その後も祖父の死や宮廷を追われるといった不幸が続き、ジル・ド・レは自らの欲望に忠実に生きるようになってしまった。

心のストッパーが外れたジル・ド・レは、少年殺害で性的快感を覚えるようになり、それ以降というもの部下に少年を誘拐させては、拷問、凌辱、虐殺を楽しむ生活を送るようになる。

悪魔に魂を売ったジル・ド・レの最後

少年への残虐な行為は留まることを知らず、終いには降霊術や錬金術、黒魔術にも手を出すようになっていく。

悪魔への生贄を口実にし、多くの少年を手にかけてきたジル・ド・レだが、ついにその悪行は明るみに出ることとなる。

大量の少年を誘拐し、殺害し続けたジル・ド・レの行いは教会によって暴かれ、「少年殺人」「降霊術」「男色」の罪で異端審問にかけられた。

しかし、裁判では明白な証拠が見つからず、本人も罪を否定していた。

このまま否認を続けると思いきや、一転して聴衆の前でジル・ド・レは泣きながら全員の前で罪を告白する。

その結果1440年10月26日にジル・ド・レは、絞首刑を受けた上で火あぶりの刑となり、その生涯を終えることになった。

ジル・ド・レのまとめ

100年戦争を戦い抜いたジル・ド・レは、フランス王国の元帥としてジャンヌ・ダルクと共に戦った英雄でした。

しかし、ジャンヌ・ダルクが失墜すると英雄としての面影は無くなってしまう。

堕ちた英雄は、黒魔術や錬金術、悪魔崇拝に魅了されるようになってしまい、少年殺人を繰り返す悪魔と化し、最後は処刑されることになった。

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