今回は、七つの大罪の1つである「強欲」を司る悪魔。
「マモン」について紹介していきます。
名称 | マモン |
別名 | アモン/マンモン/アマイモン |
種族 | 悪魔 |
役割 | 七つの大罪『強欲』 地獄の大使 |
主な出典 | マタイの福音書 使徒戒規 |
七つの大罪「強欲」を司る悪魔マモン
マモンとはシリア語が元となっていて、これは「富」を意味する言葉でした。
しかし、キリスト教の教えによってマモンは富の悪魔としてその姿を変えることになります。
また、古代イスラエルのソロモン王が使役する悪魔であるアモンと同一視され、鳥のような頭をした姿で残されていました。
叙事詩「失楽園」では、アマイモンの別名で記録されていることもあり、最も堕落した高潔とは対照的な存在として記されています。
キリスト教により悪魔へと変貌するマモン
マモンはシリア語で「富」や「裕福」を意味する言葉ですが、なぜ「マモン」が悪魔となってしまったのでしょうか。
その謎は新約聖書『マタイによる福音書』に記されています。
「汝ら神とマモン(富)とに兼ね仕うることあたわず」
このたった1つのフレーズがマモンを富から悪魔へと変えてしまいました。
神学者たちが富という意味のマモンを悪魔の名前と勘違いして解釈したのがきっかけとされています。
このマモンの名がさまざまな魔導書や金、財を成す悪魔として扱われ、七つの大罪の1つである「強欲」を象徴する悪魔にまでなってしまいました。
もしもキリスト教が全世界的に広まらなければ、マモンという悪魔は誕生すらしていなかった可能性が大きいと言えるでしょう。
当時の聖書を誤読した神学者によって富の象徴である存在が悪魔であると解釈されてしまったのは、金に執着を持たせないためにわざと「強欲の悪魔」を生み出した可能性も否定することはできません。
マモン・アモン・アマイモンなど同一視される悪魔
「マモン」は「アモン」と同一視され、度々混同されることの多い悪魔ですが、アモンは未来を予知したり過去を言い当てる能力を持っいるとされ、共通して巨大な鳥のような頭部を持った姿で描かれているのが特徴的です。
その中でも1番有名なのが「地獄の辞典」に描かれたフクロウの頭を持ち獣の胴体とヘビの尾、鋭い牙を持ったクチバシの姿が広く浸透しています。
数多くのゲームの中でもこのような姿で描かれていることから、日本でもそのイメージは変わりません。
一方で「アマイモン」は、地獄の東側を守る四方の番人の1人であるとされています。
地獄の辞典によると、アマイモンには七つの大罪の1つ「肉欲」の悪魔アスモデウスが仕えているとも言われている。
悪魔としての誕生が誤訳から生まれたことが原因なのか、他の悪魔と同一視する説も多く、中にはベルゼブブやルシファー、サタンなど高位の悪魔と同一視する説も多く存在しています。
ソロモン王に召喚されたアモン
「マモン」と同一視されている悪魔の1人、「アモン」はソロモン王に召喚された72柱の悪魔のうち上から7番目に位置する強力な悪魔です。
40以上もの地獄の軍団を指揮するだけでなく、狡猾な頭脳を持つ悪魔として知られているアモン。
強靭な悪魔としての顔だけでなく、男女の仲を取り持ったり、友人との仲介役、敵との交渉など人間的な面も持ち合わせている。
七つの大罪「強欲」のマモン まとめ
非常に欲深い「強欲」の罪は、富を奪う強奪や窃盗、詐欺の原因にもなります。
どれだけの財宝を得ても満たされない欲望は強欲の罪となり、その象徴であるマモンに対抗するには満ち足りた「充足」が必要です。
元々は単に富の象徴としての「マモン」という言葉が悪魔へと転じていった経緯はお伝えした通りですが、富の象徴とも言われるだけあって時には人々に金貨をばらまくこともあると言われている。
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