1954年にイギリスのノース・ヨークシャー州に冷戦時代のソ連の信号傍受を目的とした基地が建設されました。
それが、世界最大規模の盗聴機関「メンウィズヒル基地」です。
イギリスのメンウィズヒル基地
広大な自然の中には似つかないメンウィズヒル基地は、イギリス空軍の軍事基地の1つになります。
しかし、その運営にはアメリカの機密機関である国家安全保障局(NSA)が関わっている。
巨大な丸くて白い球体は「レドーム」と呼ばれている保護カバーで、その内部には衛星から情報を受信するためのアンテナが設置されています。
このレドームがあるエリアには、選ばれた人間しか立ち入ることができません。
メンウィズヒル基地は、刑務所のような鉄条網で周囲を囲われているだけでなく、常に兵士が巡回し厳重な警備のもとで管理されていることが伺える。
この世界最大の盗聴機関の成り立ちは、1946年にイギリスとアメリカで通信傍受協定が結ばれたことが始まりです。
その際にアメリカを中心として構築された軍事目的の通信傍受システム「エシュロン」が誕生しました。
エシュロンはフランス語で「はしご」という意味ですが、軍事用語では部隊のことを指し、ここでは「秘密裏に組織された通信傍受部隊」という意味になります。
5か国共同の「ファイブ・アイズ」
アメリカとイギリスで結ばれた通信傍受協定に、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドが後に加盟しました。
この5か国共同で安全保障に関する情報を共有する仕組みは5つの目からなるという意味で「ファイブ・アイズ」と呼ばれます。
アメリカが中心となって、電話やメールなどの様々な情報を収集して分析し、協定に参加している各国に共有される仕組みです。
この「ファイブ・アイズ」と呼ばれる存在は長い間公式に認められることはない、隠れた存在でしたが2010年にメンウィズヒル基地に関する情報が公開されたことで明らかになりました。
日本にも盗聴機関が!?
イギリスのメンウィズヒル基地ほど大きな盗聴機関ではありませんが、日本にも通信傍受基地が存在すると言われています。
その拠点とされているのが、「青森県にある三沢基地」。
この三沢基地にもメンウィズヒル基地と同様の傍受レーダーがあり、アメリカが構築した「エシュロン」の施設ではないかと噂されています。
日本は「ファイブ・アイズ」そのものに加入していないものの、この五か国とは安全保障面での協力関係にある国々であることから、世界最大の盗聴機関の一旦を担っていてもなんらおかしくは無いのです。
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