この世界で一番有名な宗教と聞いて何を思い浮かべますか?
仏教?
それともキリスト教?
日本は世界の様々な宗教的なお祭りや儀式を取り入れた珍しい国です。
その中でも、日本人に定着しているのがクリスマス。
12月25日はケーキとチキンを食べて、サンタさんからのプレゼントを楽しみにする日です。
それが日本人の習慣となり、今では当たり前になっています。
12月25日をどうしてお祝いするのかな?
こんな疑問を持ったり、子供から聞かれた事はありませんか?
大抵の人達はこう答えます。
キリストの誕生日だから。

クリスマス=キリストの誕生日
キリスト教の家庭で育った私も、そう教えられていました。
でもね…。
キリストの誕生が12月25日だなんてどの文献にも載ってないんですよ。
それこそ、聖書にすらそんな記述はどこにもない。
誰も知らないキリストの誕生日を私達は祝っているわけです。
正しいかもわからない祝日を私達は当たり前だと思って過ごしています。
これって、凄く気味が悪い事だと思いません?
この12月25日の謎にはミトラ教という、古代の宗教が密接な関りを持っています。
ミトラ教とは?
ミトラは太陽神・救済の神・盟友・契約の神として崇められていた。

太陽神ミトラ
インド・イランの神を起源とする秘密教団であったが、紀元前1世紀のローマ帝国を中心に急速に普及していく。
元々はかなり閉鎖的な宗教で、信者となる者は7段階の試練とも言える儀礼を通過する必要があった。
また、正式に入信した者は「握手によって完成した」という意味の「シンデクシオイ」と呼ばれる。
ミトラ教の礼拝と7段階の階級
ミトラ教の礼拝は「ミスレアム」と呼ばれる地下の洞窟で行われる。

ミスレアム
太陽神ミトラが、生贄の雄牛を屠る神像を前にして儀式を行ったとされています。
ミトラ教には階級制度があり、各階級ごとに太陽系の星を守護神としていた。
1段階…大鳥【コラックス】
守護神:ヘルメス
2段階…花嫁【ニンフ】
守護神:アフロディーテ
3段階…兵士【ミレス】
守護神:マルス
4段階…獅子【レオ】
守護神:ユピテル
5段階…ペルシア人【ぺルセス】
守護神:ルナ
6段階…太陽の使者【ヘリオドロモス】
守護神:ソル
7段階…父【パテル】
守護神:クロノス
入信の儀式は複雑なものが多く見られ、最初は洗礼のようなものから始まる。

ミトラ教の儀式
上位にあがるにつれ、宣誓や冥府下り、火を使った身体の浄化と宗教的な儀式が色濃くなっていく。
ミトラ教とキリスト教の類似点
ミトラは敵を許し、友とする。
ミトラの誕生を羊飼いから知らされた、3人の占星術師が祝いに訪れる。
死者を蘇らせる、目の見えない者を見えるようにする、歩けない者を歩けるようにするなどの奇跡。
ミトラは十二星座に囲まれ、死んだ後に蘇る。
日曜日を安息日として聖なる日とする。
聖牛を供養し、全世界を救う。
ミトラは布教の旅をして昇天した。
処女アナヒタから生まれたという説。
人を憎まずの精神、羊飼い、奇跡、死と再生、布教の旅、処女からの生誕。
これ、全部ミトラ教の話です。
キリストの話と酷似しすぎでは??
もちろんこれだけではありません。
天国と地獄、神と悪魔の戦争までミトラ教の教えとそっくりです。
ミトラ教における12月25日
ここまで、大変長らくお待たせしました。
改めて、12月25日は何の日なのか?
それは「ソル・インウィクトゥス」というミトラ教のお祭りの日です。
これは太陽神であるミトラが、ローマの冬至である12月25日から陽が長くなる事(太陽の復活)を祝う日。
しっかりと碑文に残されており、何の根拠も証拠もないキリストの誕生日とは違います。
しかし、ミトラ教は滅び、その存在は文献でしか知る事は出来ません。
なぜか?
キリスト教によってミトラ教が殲滅されたからです。
キリスト教によるミトラ教の殲滅
古代ローマだけでなく、ミトラ教は世界的にも広く人気のある宗教となっていました。
ミトラ教に関する神殿や遺跡が確認できるだけで420か所以上見つかっており、ローマにあるものだけでも45か所以上発見されています。
これだけでも、当時どれだけ普及していたのかが見えてくる。
オリンポスの神々など他の宗教や神にも寛容な多神教のミトラ教に対し、キリストを唯一神とする一神教のキリスト教はむしろ迫害される存在でした。
しかし、312年にローマ正帝の1人、コンスタンティヌス1世がキリスト教へ改宗した事で歴史が大きく変わることになる。

コンスタンティヌスの洗礼
史実には、神の予兆があったとされるが決定的な証拠がなく、当時のローマで迫害されていたキリスト教がなぜここまで持ち上げられたのかを考えると裏で何かが動いていたとしか思えない。
更に、翌年の313年には「ミラノ勅令」を出し、ローマ帝国でキリスト教を公認とした。
皇帝への崇拝を拒否する異教徒として迫害し弾圧していたのに。
こうしてキリスト教がローマの公認となった事で、ミトラ教は急速に力を失っていく。
唯一神であるキリスト教からすると、ミトラ教は邪魔な存在であった。
ミトラ教がキリスト教のルーツ(模倣)だと知られるのを恐れたのかもしれない。
キリスト教にはパンとワインを分かち合う聖餐式が存在するが、ミトラ教の4段階目の儀式で聖なるパンとワインを共にする儀式がある。
これをキリスト教はこれを「悪魔的な模倣」だと、ミトラ教を強烈に非難する事になる。
いや、模倣したのはキリスト教の方では…。
と言いたいところだが、勝てば官軍負ければ賊軍の通り、ミトラ教は徹底的に追いやられる事になります。
ミトラ教の神殿や礼拝堂、書物などは、キリスト教徒の襲撃で次々と破壊されていった。
現存する神殿や遺跡にも、その爪痕が残されている。
こうしてミトラ教は衰退の一途を辿り、キリスト教によってその教えは消される事となった。
12月25日に隠された真実
325年、第1回目のニカイア公会議(キリスト教における最大規模の会議)が開かれた。
そこでの議題はキリストの誕生日をいつにするのか?という議題。
ミトラ教にとって一番重要であった12月25日の冬至を祝う祭日。
それをキリストの誕生日に変えて完全にミトラ教を消し去ろうとする考えが垣間見える。
つまり、12月25日というのはキリスト教の実質的な勝利宣言なのです。
ミトラ教とキリスト教の都市伝説的な考察と見解
「もしキリスト教の成長がいくつかの致命的な弊害によって遅れていたなら、世界はミトラス教化されていただろう」
これはイエス伝の著者であるエルネスト・ルナンの言葉です。
何か一つでもズレていたらこの世界はキリスト教ではなく、ミトラ教がメジャーな宗教として現代に引き継がれているはずでした。
そもそも、ミトラ教が排斥されキリスト教が急激に広まっていった事には謎が多すぎます。
ミトラ教と酷似し、模倣しているとも言える内容。
多神教の時代に、異端と言われた一神教の宗教。
キリスト教徒だとバレると改宗を求められ、拒否したら処刑までされていたのに、コンスタンティヌス1世の勅令でその立場は一転します。
コンスタンティヌス1世が、ミトラ教からキリスト教に改宗した理由も謎のまま…。
それなのに、コンスタンティヌス1世はキリスト教徒から「神の代理」とまで言われています。
ここに何らかの組織の介入、もしくは裏工作があったとしか思えないのは私だけでしょうか?
歴史の流れを見る限り、ミトラ教は悪(偽物)でキリスト教が正義(本物)という構図が出来上がっています。
しかし、ミトラ教は日本の弥勒菩薩とも関係があるほど全ての宗教の祖とも言える存在です。
そんな宗教があった事すらほとんど誰も知らないというのは、知られたらマズい事実があるのでしょうか。
もし、キリスト教が悪でミトラ教が正義であったとしたのなら私達は何も知らないままの方が良いのかもしれません。
この世界にミトラ教(正義)は存在していないのですから…。
コメント