今回は誰もが知っているアニメ、ムーミンの都市伝説を紹介します。
2足歩行でカバのような可愛らしい風貌から、ムーミングッズも多く売られているだけでなく、ムーミンバレーパークも出来たことで人気はますます上昇しているようです。
そんな子供から大人まで誰もが知っているムーミンですが、実は様々な都市伝説が存在します。
ムーミンの物語の舞台は核戦争後の世界だった!?
穏やかでほのぼのとした世界観をぶち壊すかのような話ですが、どうしてこんな噂が流れたのか不思議に思いませんか?
そもそもムーミンの原作が最初に執筆されたのは1939年。
戦争の最中に書かれ、一旦中断された後に1945年に『小さなトロールと大きな洪水』というタイトルで、スウェーデン語で書かれた小説が最初の作品でした。
1945年というのは日本に原子爆弾が落とされた年でもあり、世界情勢は混沌としていた時代です。
第二次世界大戦の最中や戦後の荒廃した世界でも子供たちに夢と希望を…!
そんな願いを込めて作られた小説かと思いきや、洪水や彗星が襲ってくるなど自然災害と戦う様子が繰り返し描かれています。
これは戦時中で空からミサイルが降ってくる様子や、戦艦に乗ってきた軍人が海から侵略して来る時代を風刺しているようにも思えますよね。
初期のムーミンシリーズの小説は子供向け作品といった体裁はとっているものの、その内容は必ずしも子供向けとしてこの時代に勧められたものではありません。
ムーミンの作者であるトーべ・ヤンソンは画家でもあり、政治風刺画を雑誌に提供していた事から、そんな世の中を皮肉った小説を執筆していても何らおかしくはないのです。
それを踏まえたうえで、このムーミン谷の世界は全世界を巻き込むレベルの核戦争後、ほとんどの生き物が死滅してしまった後の世界と言われると余計に説得力が出てきますね。
ムーミンが妖精だというのは嘘
日本だと、ムーミンは「妖精だ」という設定が当たり前になっています。
しかし、これは間違いです。
厳密に言えば、ムーミンは妖精ではありません。
原作者であるトーベ・ヤンソンがムーミン谷の生き物はみんなパーレルセルだと説明しています。
パーレルセルというのは日本語に訳すと「存在する者」という意味で、それが妖精なのか、妖怪なのか、もしくは神様なのかわからない存在といったニュアンスです。
ここまでは作者本人が語った事実に基づいている話になります。
では、ムーミンに隠された本当に作者が伝えたかったメッセージとは一体何だったのでしょうか。
ムーミンは放射能の影響を受けた人間!?
人間とは似ても似つかない姿をしているムーミン。
世界を巻き込むレベルの核戦争後の世界でほとんどの生き物が死滅した中、唯一生き残った数少ない「何か」の生き物が放射能の影響で変化した姿ではないかと言われています。
見た目はカバを連想させるような風貌なので、カバが放射能の影響を受けたのでは…?と思ってしまうのは私だけではないはず。
しかし、人間のような知性を持ち、本を読んだり、食材を調理したりして食事もする。
天気のいい日にはピクニックにも出かける姿を見ると、確かに人間であった可能性も否定できません。
ムーミン谷にはスノーク族という一族も居て、見た目はムーミン一族そっくりですが、かつらを着用している一族がいます。
この一族は見た目こそムーミン一族そっくりですが、異なる生き物とされているのです。
原作小説ではスノーク族の見た目はムーミン族に似ており、体の大きさもほぼ同じですが、体色が個体ごとに異なるとされています。
これは人種(白人や黒人、黄色人)を連想させているようにも思えますね。
また、感情によって体の色が変化するといった事から感情豊かな人間らしい部分も伺えるのです。
もしかすると、ムーミン一族はカバが放射能の影響を受けた後の姿で、スノーク族は人間が放射能の影響を受けた後の姿なのかもしれません。
スナフキンは死んでいるってホント!?
いつもどこかにふらっと旅に出たり、川辺や土手でハーモニカを吹いたりしているイメージのスナフキン。
公式の人気投票で1位を獲得するほど圧倒的な人気を誇るスナフキンですが、いつ頃からか彼はもう死んでしまっている亡霊だという噂が流れ都市伝説となりました。
なぜスナフキン亡霊説が流れたのかを見てみましょう。
・スナフキンは退役した軍人で、実は核戦争に巻き込まれて既に死んでいる。その証拠として普通の人間には見えないムーミンが見えるのはスナフキン自体が死んでいるから。
うーん…どこからこんな話が出てくるのでしょうか。
都市伝説なので、誰かが言い始めたものに尾ひれがついて広まっていき、元々の話からかけ離れていくのはわかりますが…。
ではこのスナフキン亡霊説の元となった話が何なのかを考察していきます。
まず、最初の「スナフキンは退役した軍人で、実は核戦争に巻き込まれて既に死んでいる」という部分です。
気になるのはどこから退役軍人という発想が出てきたのかですね。
緑色のコートとブーツ、そして黄色いスカーフを身にまとい、大きなリュックを背負って旅に出ます。
確かにコートの緑とスカーフの黄色は迷彩柄を連想させるかもしれないし、ブーツは軍人が履くようなアーミーブーツを思わせるところもあります。
そして、大きなリュックも軍人が担ぐようなリュックに見えなくもありません。
退役軍人という発想はこの見た目から連想されたものと考えられます。
そして、この世界が核戦争後の世界ならば確かに生き残っている人類はいないでしょう。
亡霊と言われるのも頷けます。
だから普通の人間には見えるはずのない、ムーミンも見える。
普通の「人間」には。
確かにスナフキンは人間っぽい姿で、ムーミン谷で生活している数少ない人間キャラという立ち位置です。
しかし、スナフキンがそもそも人間でなければどうでしょうか。
そう、スナフキンは人間ではないのです。
なんと原作の挿し絵のスナフキンには尻尾が描かれています。
他にも、指が4本だったりと人間の亡霊とは思えない姿で描かれているのです。
この設定を核戦争後の世界に当てはめてみるとどうでしょうか。
スナフキンは元々は退役軍人であったと仮定します。
その後の核戦争で奇跡的に生き残ったものの、放射能の影響で尻尾が生えて指も4本になってしまった。
しかし、かろうじて人間としての姿は保てた。
この方が納得は出来ます。
そんなスナフキンですが、退役軍人と呼ばれるのにはもう一つの噂があります。
それは彼の旅好きにまつわるものです。
スナフキンは孤独と自由を好み、あちこちへと旅に出ます。
特にムーミン谷の仲間が冬になり冬眠生活に入ると、その間スナフキンはどこかに旅へ出て、春になり暖かくなると帰ってきますね。
では、その寒い間どこに旅をして、一体何をしているでしょうか。
そこでこんな話がまことしやかに囁かれています。
それは、スナフキンが旅に出ているのは、昔の仲間の亡骸を探しては供養しているという話です。
この話でスナフキン亡霊説に真実味が出たのかもしれませんが、たとえ裏設定だとしても到底スナフキンが死んでいるとは思えません。
むしろ、昔の仲間供養説の方が、核戦争後の世界の設定の方がしっくりきます。
ミイは大人?子供?
スナフキンに続いてミイもムーミン谷で暮らすメインキャラクターの一人です。
ミイの容姿に少なからず違和感を覚えながら、でも何となくそういうキャラなんだろうと思って見続けていた人は多いと思います。
ミイもスナフキンと同じく人間という雰囲気で書かれていますが、放射能の影響はないのでしょうか。
原作『ムーミンパパの思い出』の原作挿絵では、彼女を含むミムラ族に尻尾が生えているのが確認できます。
しかし、この巻以後は小説・漫画ともにミムラ族の尻尾が見える描写はありません。
つまり、ミイも人間ではなく「元人間」だった可能性が高いのです。
ミイも放射能の影響で、成長が出来なくなってしまったのでしょうか。
戦時中に目の前で親を殺されたショックで成長できなくなった。
なんて話もありますが、真偽のほどは確かではありません。
しかし、調べて考えれば考えるほど、核戦争後の世界説がしっくりきます。
ニョロニョロの正体は亡霊??
冒頭でも少し書いたように、ニョロニョロのグッズはかなりの数があります。
くりっとした丸い目がついただけの可愛いキャラクターですが、その存在は謎そのものです。
何かを話すわけでもなく、ただそこに存在していて感情を出したりもしません。
アニメでは触れらていないものの、原作からニョロニョロは登場していて、その名前は「ハッティフナット」と呼ばれ、和訳すると「優柔不断で迷い、放浪するもの」という意味です。
私はこの意味を知った時に、核爆発で一瞬にして亡くなり、自分がこの世から消えてしまった事もわからず成仏出来ない霊を連想しました。
時々透明になったり、発光したりする謎の生物。
スナフキンの旅は仲間を供養するものという説から考えるのであれば、ニョロニョロは核戦争で亡くなった霊で、スナフキンはそれらを供養しているのかもしれません。
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