製造時期:5世紀頃
発見場所:インドのデリー郊外
作成理由:王を称えるためのオブジェ
アショーカ王の柱とは?
インド北部にある大都市デリー郊外メハラウリー村にはイスラム教礼拝所「クトゥープ・モスク」があります。
その他にも歴史的な建造物が集まっている場所ですが、その中でも1番注目を浴びているのがアショーカ王の柱です。
約1600年以上もの間、外気に晒されながらも一切錆びることのない鉄の柱で作られたオブジェ。
直径は約44㎝、高さは7mにも及ぶ巨大な鉄柱は、地下に埋められた部分も含めると9mになり総重量は6トンを超えるといいます。
錆びることのない奇跡の鉄柱
アショーカ王の柱は99.72%という超高純度の鉄で作られています。
本来であれば鉄にはさまざまな不純物が混ざっているので雨風に長年晒されると腐食しやすい金属で、40~50年もすれば原型を失うほどボロボロになるのが当たり前です。
しかし、アショーカ王の柱は表面にこそ多少の錆びがあるものの、内部は一切錆びておらず1600年以上もその姿を残している。
つまりこの鉄柱が建てられた当時とほとんど変わらない状態で1,000年以上もの間、インドの礼拝堂クトゥープ・モスクの広場中央で人々の歴史を見守ってきたことになる。
100年もしない間にボロボロになるはずの鉄で作られたこの柱がなぜ1600年以上もこうして建っていられるのか不思議ですよね。
同じような疑問を持った科学者や識者たちがアショーカ王の柱を研究して調査しています。
現代科学では再現不可能
アショーカ王の柱は、なぜ錆びることが無いのかという謎を題材にした論文が、2006年の「ネイチャー」にて発表されました。
錆びない理由としては、鉄柱の素材がカーボンナノチューブのテクノロジーを応用したダマスカス鋼を使用しているからだと結論を出しています。
カーボンナノチューブは1990年代になってようやく一般化してきた技術の1つであり、5世紀頃にそんな技術があったとは到底思えません。
さらに、使用している素材がわかったところで、現代の技術力をもってしてもアショーカ王の柱を再現することは不可能だと言うのです。
あるはずのない技術で作られたアショーカ王の柱は、まさにオーパーツと言えるでしょう。
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