1966年に、オーストラリアのノーザンテリトリーに建設された「パイン・ギャップ共同防衛施設」。
この施設は日本にある米軍基地のオーストラリア版と考えてもらうとわかりやいと思います。
しかし、決定的な違いはこの施設が「嘘の名目」で建設されていたことにある。
目次
パイン・ギャップ共同防衛施設
施設建設にあたって、周辺の地元民には「宇宙の研究施設」という名目で建設が進められていました。
もちろん、オーストラリア人の職員もそこで働くことになりますが、実態はCIA(アメリカ中央情報局)やNSA(国家安全保障局)などアメリカでも筋金入りの諜報機関に所属するアメリカ人が大半だとされています。
宇宙研究はただの名目に過ぎず、その施設でどんな活動が行われているかは長年伏せられてきた。
当然地元民や一般人が近づけるわけもなく、基地に続く道路には「警告」を発する道路標識が立ち並び写真撮影も禁止されている。
このパイン・ギャップ共同防衛施設は、ソ連の弾道ミサイル実験計画の実態を把握するために作られたものとされていますが、創設当初からアジア各国の通信網も把握しているという。
イギリスにあるメンウィズヒル基地と同様の「レドーム」が並ぶことから、高性能の衛星通信機能も備えていると思われます。
\こちらも読まれています/
世界最大の盗聴機関!イギリスの広大な敷地に建つメンウィズヒル基地
世界最大の盗聴機関!イギリスの広大な敷地に建つメンウィズヒル基地
パイン・ギャップ共同防衛施設は、そこに存在すること自体を危険視する平和活動家から反感を買っていました。
この基地に侵入を試みようとする過激派やシステムそのものにハッキングを仕掛けた活動家が次々と逮捕されたことから、オーストラリア政府もこの基地の存在を無視できなくなります。
長い間パイン・ギャップ共同防衛施設について言及してこなかったオーストラリア政府ですが、2003年ついにこの基地の目的を説明することに。
「宇宙の調査」なんて名目ではなく、「アメリカのミサイル防衛システムの重要な拠点」として発表しています。
実際、2017年に北朝鮮が弾道ミサイルの発射を世界中に発表していた時には、パイン・ギャップ共同防衛施設も北朝鮮のミサイル発射を監視する態勢に入っていました。
しかし、オーストラリアだけでなくアメリカ国内でもパイン・ギャップ共同防衛施設への注目度は高く「パイン・ギャップ~諜報機関実録~」としたドラマもアメリカABCによって制作されています。
アメリカにとっても重要な諜報施設として機能しているパイン・ギャップ共同防衛施設ですが、地下には隠された秘密部門があるといった噂も絶えず、その実態は未だに隠されているのです。
コメント