ポヴェリア島とは、2010年2月に公開された映画「シャッターアイランド」の元ネタでもあり、海外ではTussleというタイトルでポヴェリア島を探索するオープンワールドゲームも作られているほど話題になった島です。
ポヴェリア島はイタリアのヴェネツィア市街地近くの海辺にある島の1つで、「世界一幽霊の出る島」としてテレビ番組でも特集が組まれることが多く、何かと話題に上がるスポットになっています。
ポヴェリア島の歴史と目的

421年にイタリア東北部にある都市パドヴァの人々が蛮族からの侵略から逃れるために、ポヴェリア島へ逃げ込んだのが始まりです。
多くの人々が逃げ込んだこの地は、ヴェネツィア共和国の協力もあって順調に発展していきましたが、ポヴェリア島に要塞を築く計画が国から出されたため、島の人達は全員立ち退きにあい無人島となりました。
その後、1776年にポヴェリア島はヴェネツィア共和国の公衆衛生局の管轄となり、ヴェネツィア共和国に訪れる旅人や貨物船などのチェックを行う目的で関所としての役割を果たしています。
そのままに荷物などのチェックを行っていましたが、1793年にポヴェリア島に上陸した船に数名のペスト患者が居たことが発覚。
離島ということもあり、ペスト患者を外に出せない絶好の場所だったポヴェリア島。
その後はご想像通り、ペスト患者の隔離施設として使われるようになり、ペストで亡くなった患者もこの地で埋葬されていました。
ポヴェリア島の土の半分以上は人間の遺灰と言われるほど、ペストでたくさんの命が失われた地でもあります。
この当時はペストの治療方法が確立しておらず、島へ送られることは死を意味していた。
人体実験に拷問…狂気に満ちた精神病院

1992年になると、ペスト患者の隔離施設として使われていた施設を転用し、精神病院が作られることになりました。
しかし、隔離された島に集められた精神病患者たちに待ち受けていたのは、治療と呼べるようなものでは無かったのです。
ポヴェリア島の人体実験「ロボトミー手術」

精神病患者の頭蓋骨に穴をあけ、脳の一部を摘出するという「ロボトミー手術」が頻繁に行われていました。
今では考えられませんが、当時は精神病に対抗する画期的な治療法とされ、1942年にはノーベル賞も受賞しています。
脳の一部を摘出された患者は、廃人のように無気力状態に陥ったり、自ら何かをすることもない人形のようになってしまう副作用も多く見られていた。
当時は精神病に関する投薬治療もほとんど行われていなかった為、ロボトミー手術が行われること自体は珍しいことではありませんでした。
しかし、正式な手続きを踏まずに医師が独断で行っていたことから人体実験と言われています。
誰も見ておらず、知られることのない孤島で多くの精神病患者が脳を摘出されていたと考えるだけでも恐ろしい…。
精神病患者の自殺
このような医師の行為を目の当たりにした患者たちは、いずれ自分もそうなるのではないかと、怯えながら過ごしていたのでしょう。
患者の中には、自分も廃人のようなって何もわからなくなるくらいなら…と自ら死を選ぶ者も多かった。
しかし、精神病棟なだけに自らを傷つけるような刃物やロープなどは何も無い。
そんな状況で自殺する方法としては「死ぬまで壁や床に頭を打ち続ける」か「餓死するまで断食する」といった普通では考えられないような方法した残っていませんでした。
それでも、違法に行われてたロボトミー手術の人体実験になるくらいなら死んだ方がマシだと考える患者が多かったことから、よほど悲惨な手術現場だったことが伺える。
狂った医師の自殺
このような凄惨な環境の中では、医師といえども精神に支障をきたす人も多かったのでしょう。
ポヴェリア島の状況に精神が耐えられなくなり、医師までもが自殺するようになってしまった。
医師の中には、「人の悲鳴がずっと頭の中で聞こえて消えない。」「患者の霊に憑りつかれた。」と話す医師も多く、この精神病院の異常性を表している。
ポヴェリア島の精神病院の閉鎖後

1992年に作られたこの精神病院は1968年についに閉鎖されることになりました。
しかし、ここで起きた凄惨な出来事によって亡くなった人達の怨念や、ペストによって命を落とした人々の念が未だに残っており、成仏できない霊が無数の霊が彷徨っていると言われています。
それ以来、ポヴェリア島はイタリアの国有地となり、島は立入禁止となりました。
そのまま放置しておくわけにもいかず、財政難のイタリアはポヴェリア島の「99年間の貸与権」を、2014年5月にオークションで競売にかけることに。
イタリア政府の目的としては、高級ホテルを建設して観光目的のリゾート地にしたいと考えているが、いくつの死体が眠っているのかもわからないような土地にわざわざ来てバカンスを楽しもうなんて考える人が果たしているのでしょうか。
個人的には、未だ残っている精神病院の廃墟をめちゃくちゃ探索してみたい…もちろん昼間に。
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